健康アドバイス
vol.01「快便ライフの秘訣-便秘を防ぐコツ(1杯の水の効き目)」
会員の皆様の中には、便秘にお悩みの方もおられるかと思います。今回は便秘についてのアドバイスです。
便秘は女性に多いというイメージがあるかもしれません。確かに女性の10パーセントは常習性の便秘であり、20歳前後では40パーセントにも達すると言います。だが、男性も4パーセントは同じ症状で悩まされています。
便秘には2種類あります。さまざまな原因で腸の働きが悪くなって起こる弛緩性便秘と、結腸の一部がけいれんを起こすけいれん性便秘です。ふつう便秘というと、ほとんどが弛緩性です。けいれん性は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胆石や婦人科疾患を持っている人に見られ、病気が治れば便秘もよくなります。
便は、食物のカスなどと全固形量の三分の一にも達する多量の細菌が混じり合ったものです。腸の中は細菌が活動しやすい摂氏36度という体温に保たれているから、便はすぐ腐ります。腐敗で発生した有害物や有毒ガスは腸から再吸収され、頭痛・吐き気・倦怠感・不眠、ひどい時には宿便性発熱を引き起こし大腸ガンの原因ともなります。老人や子供では腸閉塞になることもあり、放っておいていいわけがありません。
便秘を治す最も簡単な方法は、1日3回、コップ一杯ずつ冷たい水を飲むことです。一杯を3分間かけてゆっくり飲みます。これで充分ですが、もし効果がないようなら、1回にコップ3杯飲むようにすればいいのです。水を飲むとまもなく胃腸のぜん動が始まり、便意を催すはずです。冷水で胃や腸を刺激し、働きを活発にするわけです。また、直腸などに長く留まっている便(宿便)を水で軟らかにする効果もあります。宿便にはスカトール、インドールといった弱毒物質や、ニトロソアミンのような発ガン物質が含まれているから、一刻も早く外に出した方がいいのです。お腹を揉むのも効果があります。按腹といって、手術などのあと腸の働きが低下した時に看護師が施すテクニックです。さする程度では効き目がありません。痛くない範囲でしっかり揉むのがコツです。腸がたちまち活性化することでしょう。
頑固な便秘に悩まされている人は薬を使うのも悪くありません。「クスリは癖になる」と頭から嫌う人がいますが、便秘薬の場合は心配いりません。なぜなら便秘薬は便に混じって腸に行くと腸の壁から水分を出させる役割をするだけですから。便に水を含ませて大きく膨らませ便意を催させます。クスリが腸から吸収されるわけではないですから、副作用はあり得ないわけです。仮に少々副作用めいたものがあったとしても、便秘の方が体にはずっと悪影響があります。
便秘もひどくなると排便が一週間に一度、15日に一度という人もいます。毎日快便するのと、半月も腸内で腐らせるのと、健康への害は明らかです。毎日の生活で快便が健康に果たす役割は大きく、人間の体にとっては入れるよりも出す方がずっと大切だからです。